普通二輪⑬(第二段階)

第二段階もみきわめの時間をとうに過ぎ、またまた煮え詰まった感じになってきました。


第二段階に進んだ時には、うまくいけば年内に免許だ!と思っていたのがどんどん怪しくなり、そのうち「どうせ年明けになるくらいなら、暖かくなる春までゆっくり教習に通ったほうがいいか」と考え始めたりしました。


実はみきわめ3,4時間目くらいで、「できてないことはないから、卒検受けてみますか?」とKさんではない教官から言われたこともあったのです。


しかしこの時は、自分としてはまだ課題のすべてを通してきちんとできたと思えたことがなかったので、「いえ、もう少し練習します」と返事してしまいました。


さらに時を経てKさんから「そろそろ卒検受けますか~」と言われたこともあったのですが、これが週末の教習で、

「卒検を受けるとしたら次の週末にしか受けられないから1週間空いてしまうのは不安です」と言ったら

「じゃあ木曜か金曜に教習入れといて挑戦っすね」という話になりました。
みきわめだけもらっておいて卒検までに自由練習、というのはこの教習所では認められていないようでした。
これが第二段階に入ってすでに17時間目のことでした。


Kさんのみきわめの申し出を断ったことを私は後で激しく後悔することになります。


次の教習では、何がいけなかったが課題のすべてがダメダメで、みきわめどころではない状態でした。


その後の教習でも、自分では今日は行けた、と思った時には、たまたまその日1回だけ落ちた一本橋を教官が見ていたらしく、

「一本橋とかもね、もう少し練習しましょう」のコメントでみきわめがもらえませんでした。


それまでの私のダメダメっぷりが教官たちの意識に刷り込まれていたのだと思います。


もう年内の卒検は無理だな、とほぼあきらめつつ、教習は行けるときに行っておこうと思っていると年内最後の卒検の前日の金曜日の夕方の教習の予約が取れました。
教習の出来は良くも悪くもいつも通りです。

やはりクランクの内パイロンに「パコン」と接触した感覚がありました。


その日の担当教官2名のうち、一人がKさんでしたが、予約上は私の担当にはなっていませんでした。

しかし、教習終わりに「明日、受けますか、卒検!」と言ってくれたのはやはりKさんです。

あれっと思い、隣にいるもう一人の教官の顔を見ると、笑顔で見返してくれました。


「え、いいんですか、こんな私が卒検なんて」

「明日が年内最後の卒検なんで、って言って今朝から何人も僕からみきわめをもぎ取っていきましたけど、一番安定してるわーって思ったわ。何も試験で落ちたからって命持ってかれるわけでないし、受けてみればいいじゃないすか。ま、どちらでもいいですよ~」

「受けます!」


というわけで、いいのか悪いのか突然みきわめをもらい、そのまま翌日の卒検の予約のために受付に向かったのでした。