普通二輪①

とある9月の土曜日に入校式、適性検査を行い、実際の教習は週明け月曜日の夕方でした。


一緒に教習を受けるのは、同じく本日が教習初日らしい大型の男性(20代、40代?)と私の3名です。
つまり全くの初心者は私一人。


教官は私と同年代かもう少し若いと思われる細身の教官で、少し癖のあるしゃべり方をする人でした。
第一印象は、「二輪の教官って日焼けするんだな」。


さて教官の第一声は
「いい年して、なんでバイクの免許なんかとるんすか!要らんじゃないすか!」
ととても否定的なものでした。


いろいろバイクの免許を取る言い訳、というか理由付けは自分の中でも考えていることはあったのですが、こんな否定的な問いかけにきっぱり言い切るほどのものはなく、口の中でもにょもにょ言うしかなかった記憶があります。


普段、人から面と向かって否定的なことを言われることがない環境に長くおり、結構メンタルに応えました。


とはいえこの教官は、この発言ほど私を否定し続けたわけではなく、その後教習が進んでいく中でむしろお世話になった一番の人になっていくのでした。


とにかく覚えているのは、初日の教習のみでなく第二段階に入ってからも私は数えきれないくらいバイクを倒しまくったのですが、初日に最初の引き起こしの場面で引き起こせなかった私に対し、くだんの教官(Kさんとします)は、
「これができない段階でN市(近くの大都市)のC自動車学校なんか、もう帰ってください、っていわれて門前払いすよ!」
といわれ、結局その後教習が進む中でも満足に引き起こしができなかった私は、ずっと劣等感を引きずることになるのでした。



とにかく初日の教習を終えて、自宅まで10分弱の道のりをいつもの愛車(普通自動車)を運転しながら、「4輪って転倒しない」とその安定感に改めて感動したのでした。心も体もズタボロになった教習初日でした。