普通二輪⑦

その後もなんか「コース回っといて」とほぼ自主練、たまにアドバイスまたは注意、という感じで教習の数が増えていきます。


各課題も、今日はこれができたけどあれがダメ、の繰り返しで、もはやゴールも見えなくなっており、「一体私はどうなったらみきわめられるのだろう」という状態です。


そんな中、何より不安だったのは乗り降りです。


今更、という感じですが、乗るとき降りるときがどうしてもバランスを崩すことが多く、Kさんからもさんざん「勢いつけたりとかカッコよくとかじゃなくって、そっとっすよ、そっと。」といわれ続けましたが、卒検に至るまで、倒す頻度は少なくなってはいきましたが不安は消えません。


教習所によっては、教習開始前にそろって準備体操をするところもあると思いますが、この教習所はいきなり乗車から始まりますので、あらかじめ女子トイレの手洗い場(無駄に広かった)で洗面台に手をついて、右足を跳ね上げる動作を繰り返し股関節をやわらかくしておく、などの準備をしたりしていました。

中年女性が一生懸命股関節を広げているなど、とてもじゃないですが公衆の面前では披露できず、こっそりやっていました。


ある時、教習終わりに降車した拍子にしりもちをつく形で転倒し、そのまま縁石に後頭部をぶつける、という無様な転倒をしてしまいました。


恥ずかしいやら情けないやら、しかもヘルメットがあったとはいえいつになく頭部を打っているので、医者の端くれとしてあとから何か症状が出てこないかも不安です。

幸い、何事もなく済みましたが、ますます乗降時の転倒が不安になりました。


いまだに不安は消えず、現在大型教習でも倒してしまうことがある体たらくです。

ハンドルを右に切っておくこと、腰や下腹部を常にタンクにくっつけつつ、胸をタンクに乗せるくらい低くしてそっと右足をシートに添わせるように自分のタイミングでゆっくりまたがること、これが意識できるようになってかなり転倒の割合は減りました。


次に苦手だったのは一本橋です。誰もが悩む課題とは思います。


ある程度思い切りよく乗ってしまう、ということができるようになってからは、多少成功率は上がってきました。


「落ちた時にはすぐに脇に離脱する」と必ず指導を受けていると思います。


私は何回か、ストンと前輪が一本橋に添う形で落ちてしまってハンドルが切れなくなり、そのまま転倒ということをやっています。
これはかなりやばくて、転倒の仕方によっては怪我につながりますし、平地(?)で転倒するよりも精神的にダメージが大きいです。


じつは、現在進行形の大型教習でも同じような転倒をすでに2回しており、左手をねんざするという状態になってしまいました。


これは落ちる、と思った時に素直に落ちずに粘ったり、スピードがゆっくり過ぎたりクラッチを切ってしまっていたり、などの条件が重なって起こしてしまうのだろうと思います。


そんなこんなで毎回バイクを倒さない教習はないくらいで、第一段階の教習で一度だけ転倒しないことがあったときには、その日担当だったKさんから「いやー今日はガシャーンって音がしなかったじゃないすか!ちゃんと上達してますよ。」とのコメントがあり、もはや苦笑いしかありませんでした。